
【Blazor】 @refを使い方
- @refとは?
- 参照されるコンポーネントを作成
- 作成したコンポーネントを参照する
- 実用的なシナリオ
- 注意点
目次
@refとは?

@refとはBlazorコンポーネントの参照するためのディレクティブのことです。 これを使用することで、親コンポーネントから子コンポーネントのメソッドを呼び出したり、プロパティを変更することができるようになります。
参照されるコンポーネントを作成

まず、参照するための子コンポーネントを作成していきます。 親コンポーネントからUpdateMessageメソッドが呼ばれると、UIのテキストが引数の値に変更される仕組みになっています。
<h3>@Message</h3> @code { public string Message { get; set; } = "初期メッセージ"; public void UpdateMessage(string newMessage) { Message = newMessage; // 状態変更後、コンポーネントの再レンダリングをトリガーします StateHasChanged(); } }
作成したコンポーネントを参照する

前セクションで作成したコンポーネント(ChildComponent)を使って、コンポーネントを参照します。 以下コード例になります。
@page "/parent" @using Blazor_Ref.Components; <ChildComponent @ref="childRef" /> <button @onclick="UpdateChildMessage">子コンポーネントのメッセージを更新</button> @code { private ChildComponent? childRef; private void UpdateChildMessage() { childRef?.UpdateMessage("ボタンによるメッセージ更新"); } }
親コンポーネント内で子コンポーネントであるChildComponentを@refを用いて参照します。 @refには、コンポーネントの変数であるchildRefを指定します。そうすることで、値が共有されます。 ボタンを押したタイミングで、参照した子コンポーネントからUpdateMessageメソッドを呼び出しています。 ボタンをクリックし、メッセージが初期メッセージからボタンによるメッセージ更新へ変更されることを確認してください。
実用的なシナリオ

様々な場面で活用することができますが、次の場面がよく使われそうな気がします。
- フォームのバリデーション
- モーダルダイアログ
注意点

@refで参照したコンポーネントがレンダリングが完了してから、使用するようにしてください。 注意が必要なのは、以下のようなコードです。
@page "/parent" @using Blazor_Ref.Components; <ChildComponent @ref="childRef" /> @code { private ChildComponent? childRef; protected override void OnInitialized() { // 初期化時 childRef はまだ null になっている childRef.UpdateMessage("新しいメッセージ"); } protected override void OnAfterRender(bool firstRender) { if (firstRender) { // OnAfterRenderはレンダリング後の処理なので childRef は null ではありません。 childRef?.UpdateMessage("レンダリング後の更新メッセージ"); } } }
OnInitializedメソッドなどの初期化処理などで、レンダリングされていない状態だとnull参照になります。 それに比べて、OnAfterRenderはレンダリング後に行う処理のため、null参照にはなりません。 もし参照したコンポーネントで初期化等が必要な場合は、OnAfterRenderで行うようにします。
@refは便利ですが、使用は最低限に抑え、ロジックはなるべくコンポーネント内で完結するように心がけると、 バグの少ないアプリケーションになると思います。
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